プリント生地が生まれた町、フォルッサ

プリント生地が生まれた町、フォルッサ

フィンレイソンにとって、創業地であるタンペレと同じくらい、フォルッサという町の存在も重要でした。フォルッサは、ヘルシンキからもタンペレからも約100キロ離れた、小さな内陸の町です。赤煉瓦の工場建築や工場周辺の美しい街並みは、フィンランドの他の工業都市のなかでも特に美しいと言われています。

フォルッサの歴史は、1847年にスウェーデンの染色師だったアクセル・ウィルヘルム・ワーレンが、クハランコスキ川沿いに紡績工場を設立したところから始まります。1860年には、手動のブロックプリント機を購入して、フィンランド初のプリント工場となりました。翌年には新しいローラープリント機を導入したため生産力が大幅に上がり、本格的なプリント生地の製造を始めます。その後60年間、フォルッサはフィンランド国内唯一のプリント生地工場として大きな役割を果たしました。

フォルッサの町がこんなに美しいのは、ワーレンが、スウェーデン出身の建築家ゲオルク・テオドール・チーヴィッツと協力して、工場の配置、赤レンガの工場群、社宅、公園、学校などを含み、当時としては先進的な工業都市の全体計画を進めたからです。その後もチーヴィッツの都市計画理念は引き継がれ、現在まで残る美しい街並みが形成されました。このピンクの木造住宅は、1860年代に建てられ、現在も残るチーヴィッツが設計した工場学校です。


さて、コットンプリント生地ができるまでには、いろんな工程があります。

・綿から糸を作る(紡績)
・糸から布を織る(織布)
・布に色や模様をつける(プリント)

フォルッサには、これらすべての工程を量産規模で行うことのできる設備が整っていました。

フィンレイソンは、タンペレで創業したフィンランド最古最大の繊維メーカーでしたが、プリント工場は持っていませんでした。フィンレイソンは、糸を染めて織る先染め技術にはたけていましたが、布にプリントすることはできなかったのです。そこでフィンレイソンは、プリント技術を持つフォルッサに魅力を感じ、1934年、両社は合併。フィンレイソン・フォルッサ社が誕生しました。フィンレイソン・フォルッサ社は、最大の資金力、そして高い技術と生産能力のおかげで、フィンランドの木綿業界をリードしていきました。

1951年にデザインアトリエが設立し、次々とデザインが生み出されたのも、フィンレイソン・フォルッサ社時代の出来事です。プリントテキスタイルの黄金時代と言われる1960-1970年代には、印刷機の技術も大きく進歩し、さまざまな魅力的なデザインが生まれました。

現在、フォルッサ工場は閉業していますが、工場跡には文化施設、教育施設、商業施設などができ、美しい街並みが残されています。また、2022年にオープンしたデザインセンター「クオシケスクス」では、フォルッサミュージアムが所蔵するプリントテキスタイルのアーカイブとともに、その歴史が紹介されており、誰でも入館できる美しく魅力的なスポットです。フォルッサを訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。

Forssa museum / Kuosikeskus
https://www.forssanmuseo.fi/visit-us/pattern-centre/ 

一部日本語のご案内もありますので、チェックしてみてください


一覧に戻る